エストレマドゥーラ州 (Extremadura)
北はカスティーリャ・イ・レオン州、東はカスティーリャ=ラ・マンチャ州、南はアンダルシア州、西はポルトガルと接している. 北部にはタホ川、南部にはグアディアナ川が流れる. モンフラグエ国立公園がある.
古代ローマ時代には、エストレマドゥーラ地方の大部分とポルトガル南部はルシタニア属州の領域でメリダに州都が置かれていた. 現在でもメリダには多くのローマ建築が残されている.
「エストレマドゥーラ」の語源は「ドゥエロ川の向こう」であり、キリスト教諸国から見たドゥエロ川以南のイスラム教徒支配地を指した. レコンキスタの初期には文字通りドゥエロ川のすぐ南が「エストレマドゥーラ」であったが、レコンキスタの進展とともに「エストレマドゥーラ」は南下し、最終的に現在のカセレス県とバダホス県の地域が「エストレマドゥーラ」と呼ばれるようになった.
大航海時代には、エストレマドゥーラは多くのコンキスタドールの出身地となった. コルテス、ピサロ、ペドロ・デ・バルディビアなどである. このため、アメリカにはエストレマドゥーラ地方の地名にちなんだ都市が多い. メキシコやベネズエラには「メリダ」(例:メリダ (ユカタン州))の名を持つ都市が作られている. エストレマドゥーラのメデジンは小さな町だが、コロンビアのメデジンは人口200万以上である. アメリカ合衆国のアルバカーキは、アルブルケルケにちなんで名付けられた. ペドロ・デ・バルディビアは、現在のチリの首都サンティアゴ・デ・チレを「サンティアゴ・デ・ヌエバ・エストレマドゥーラ」という名前で建設した.
1833年スペイン地方行政区分再編によってスペインには49県が設置され、エストレマドゥーラ地域にはカセレス県とバダホス県が設置された. 1939年から1975年のフランコ独裁体制を経て、民主化後の1983年2月26日には自治州法が制定され、カセレス県とバダホス県の範囲にエストレマドゥーラ州が発足した.