アンダルシア州 (Andalusia)
気候は典型的な地中海性気候で、夏は日差しが強く暑い. 雨はあまり降らない.
グアダルキビール川の河口にあった都市タルテッソスは、紀元前1000年にまでさかのぼる. この都市は強大なタルテッソス文明を築き、聖書では「タルシシュ(Tarshish)」の名前で知られている.
紀元前5世紀にはカルタゴの植民都市が建設され、紀元前2世紀に古代ローマに支配されて属州ヒスパニア・バエティカが置かれた.
5世紀になると一時期ゲルマン系のヴァンダル族がこの地を支配し、「Vandalicia(ヴァンダル人の国)」が「アンダルシア」の語源となった. しかし近年の研究ではアトランティス大陸を示す「アル・アトランティダ」が語源なのでは無いかという説も有力である.
西ゴート王国による支配 のあと、711年にウマイヤ朝に征服され、アラビア語でアル=アンダルスと呼ばれるようになった. 後ウマイヤ朝が都を置いたコルドバは、西方イスラムの経済文化の中心地として繁栄した. アンダルシアの文化は、8世紀にわたるイスラム支配の影響を色濃く残している.
13世紀にはレコンキスタによってキリスト教諸国による征服が進み、グラナダを都とするナスル朝だけが最後のイスラム王朝として200年間生き残った. 1492年にはグラナダが陥落し、スペイン王国に統一された.
16世紀から17世紀にかけて、セビリアはアメリカ州にあるスペインの植民地への出発地となったため、現在中南米で話されているスペイン語にはアンダルシーア方言と共通の特徴が多くみられる.
アンダルシアは先史時代からローマ時代、イスラム時代を通じてイベリア半島の先進地域であった. しかし、レコンキスタの過程で大土地所有制が広がり、新大陸との貿易で繁栄したセビリアを除き、スペインでも貧しい地方の一つとなった. 20世紀の自治州成立後は、観光業の発展とともに、政府やEUからの援助金、高速鉄道AVEの開業、セビリア万博の開催などによりてこ入れが図られている.
2021年9月13日、一帯に集中豪雨があり鉄砲水や河川の氾濫が発生. 住宅地や道路などが冠水する被害が生じた.