サハ共和国 (Republic of Sakha (Yakutia))
サハ共和国は南北に2,500km、東西に2,000kmの国土を持つ. 約310万km2という総面積は独立国7位のインド(約329万km2)よりやや狭く、8位のアルゼンチン(約278万km2)より広く、日本(約38万km2)のおよそ8倍の広さに相当する. その最北端は北極海に浮かぶノヴォシビルスク諸島のヘンリエッタ島で、ノヴォシビルスク諸島をはさんで西はラプテフ海、東は東シベリア海が大陸に面する. これらの海は北半球で最も冷たく凍った海で、大河から淡水が流入するため流氷形成が活発であり、年間9カ月から10ヶ月は凍結する. サハ共和国の北極海沿岸、タイミル半島東側のアナバル川河口より東にはフィヨルドは見られず、レナ川などの大きな川は河口で三角州を形成している. これは最終氷期の東シベリアが非常に乾燥していたため氷河が形成されず、氷河地形も作られなかったためである.
サハ共和国の土壌は全て永久凍土で、面積の40%は北極圏に含まれる. 北部の北極海沿岸はツンドラで緑のコケ類が覆い、トナカイが暮らす. ツンドラ帯の南部では小さくねじれたシベリアマツやカラマツが川に沿って育つ. ツンドラより南には針葉樹林帯(タイガ)が広がる. 北はカラマツが主で、南に向かうにつれてモミやマツが現れる. タイガはサハ共和国の47%を覆い、その90%はカラマツ類である.