ヴァルナ州 (Varna)
ヴァルナ州は面積3,820 平方キロメートル、黒海に面し、ドナウ平原の一部を占めている. バルカン山脈の東の終わりの北側に位置しており、沿岸の都市ヴァルナからデヴニャ(Девня、Devnya)まで、海岸線が内陸に深く切り込む溺れ谷(リアス式海岸)を形成し、ヴァルナ湖(Варненско езеро、Varnensko ezero)およびベロスラフ湖(Белославско езеро、Beloslav; Beloslavsko ezero)を形作っている.
プロヴァディヤ川(Провадийска река、Provadiyska reka)、デヴニャ川、ベトヴァ川(Батова река、Batova reka)、そしてブルガリア第3のダムによる人造湖ツォネヴォ(Цонево、Tsonevo)がある.
黒海岸は森林の広がる丘陵地帯で、ほとんどは崖となっている. また海岸には2つの岬(ガラタ岬、聖アタナシウス岬)がある. カムチヤ川(Камчия、Kamchiya)とシュコルピロフスカ川(Шкорпиловска、Shkorpilovska)の河口の間にはおよそ13 キロメートルにわたって幅200~300メートルの砂浜が広がっており、いくつもの小さな洞窟が存在する.
農地は全体の60%を占め、北部、西部を中心に、腐葉土を多く含んだチェルノーゼム(en:Chernozem)と呼ばれる黒土による肥沃な土地が広がっている. 森林は23.1%、6.8%は市街地となっている.
天然資源には岩塩、石灰岩、シリカ、粘土などがあり、いずれも地元の化学工業、セメント、ガラス製造や建設に用いられている. シリカはまた輸出もされている. マンガン鉱石の埋蔵も確認されている. ヴァルナ湖の堆積土は薬効のあるミネラル泥として採取される. 同州には鉱泉も多い. また、天然ガスのガス田もあり、ガラタ沖ガス田には累計20億立方メートルの天然ガスが埋蔵されていると考えられ、ブルガリアのガス需要の15%を同ガス田からの供給でまかなう計画がある.
気候は、内陸部では湿潤寒冷な冬と乾燥して高温な夏、沿岸部では地中海性のより穏やかな気候である.