ブルチコ行政区 (Brčko)
ブルチコ行政区は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争後の和平合意であるデイトン合意に基づくボスニア・ヘルツェゴビナ上級代表による仲裁の過程で設立が決められた. 合意ではボスニア・ヘルツェゴヴィナの2つの構成体の境界を定め、ブルチコ地区のうち、ブルチコ市街を含む48%がスルプスカ共和国、残りの52%がボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属すると定められた. 紛争後、ブルチコ地区では欧州連合によって平和維持活動が行われている.
2006年にはブルチコ行政区における境界線に関する法令が廃止され、ブルチコ地区における2つの構成体の諸法律および境界線が廃止された. ブルチコ行政府には独自の法が制定され、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ共和国の法とともに同地区に適用されることになった.
かつてはクロアチア人、セルビア人、ボシュニャク人が平和的に共存していたブルチコ地区は、1995年の紛争終結後の現在でもなお分断状態が続いている.