カタルーニャ州 (Catalunya)
カタルーニャ州はスペイン北東部の地中海岸にあり、交通の要衝として古代から栄えた. カタルーニャは独自の歴史・伝統・習慣・言語を持ち、カタルーニャ人としての民族意識を有している. 中世にはアラゴン連合王国として地中海の覇権を握ったが、スペイン王国成立後には衰退した. 1979年にはスペイン国家内で自治州の地位を得たが、2010年代にはカタルーニャ独立運動が盛んになり、2017年10月にはカタルーニャ共和国として独立宣言が行われるに至った.
「カタルーニャ」(Cataluña)という名称の語源は不明であるが、スペイン辺境領に基づくこの地方の諸伯領を総称する地名として、12世紀以後に使われ始めた. 名称の起源には様々な説があるが、どの説も決め手に欠けるとされる. 「城代」を意味するcastellanusまたはcatlanusがcataláに変化し、やがてCataluñaとなったとする説があるが、この説は言語学的に無理があるとされる. カロリング朝フランク王国時代のスペイン辺境伯領は「ゴート人の土地」を意味するGotholandiaとして知られる土地であり、Gotholandia がCataluñaとなったとする説があるが 、言語学的に無理がある、単純すぎる とされる. Otgar Golantという貴族の居城Cathaló城が由来であるとする説、アラビア語で「城」を意味するcálatとアラゴン地方の古地名Talunyaが由来であるとする説、バルセロナ郊外にある地名Montcadaが由来であるとする説、ラケタニ族(Lacetani)が由来であるとする説などもある.
ラテン語表記はCat(h)alaunia ないしCat(h)alonia で、中世ラテン語のCataloniaが英語に入って、英語表記もCatalonia となった. このラテン語ないし英語表記に由来するカタロニアと書かれることもある.