スール州 (Gobolka Sool)
近隣のサナーグ州(Sanaag)、アイン州(Cayn、トゲアー州東部)と共にと呼ばれている. SSC地域をめぐってソマリランドとプントランドが武力衝突を繰り返しており、また、住民がソマリランド及びプントランドからの独立の動きを見せており、情勢が不安定な地域としても知られる. 2018年時点ではソマリランドがラス・アノドを含む大部分を、州東部をプントランドが実効支配している. なお、「アイン州」はプントランド及びSSC地域独立派の呼称であり、ソマリランドでは通常使われない. またソマリランド およびプントランド はスール州の一部のみを「スール州」としている(していた)が、ここでは主にソマリアの行政区画を説明する(#ソマリランド、プントランド節を参照).
昔から、住民の多くはデュルバハンテ氏族であった.
独立以前はイギリス領ソマリランドに属していた. サイイド・ムハンマド・アブドゥラー・ハッサンの独立運動によって建国されたダラーウィーシュ国の首都タレーは州東部にあった. しかしダラーウィーシュ国は間もなくイギリス軍およびイサック氏族により滅ぼされた. 独立後の1980年代にヌガール州より分離.
ソマリア内戦勃発後の1991年、ソマリランドが独立宣言し、スール州の住民からも代表が送られた. しかし間もなくソマリランドの主要氏族であるイサック同士の内戦となり、非イサックの地であるスール州はソマリランドと距離を置くようになった. 1998年に東のバリ州・ヌガール州にプントランドが成立すると、スール州の住民はプントランドにも代表を送った. ソマリランドとプントランドの両国はSSC地域をめぐって武力衝突を行うようになった(プントランド・ソマリランド紛争).
当初は支配氏族が近いプントランドがスール州のほとんどを実効支配していた. 2000年代前半には、ヤゴリなど少数の町を除いて、スール州のほとんどはソマリランド選挙に参加していなかった. ソマリランド選挙委員会が2005年に送った事実調査団の報告によると、その理由として、ソマリランドの行政機関がほとんど存在しないこと、町によってはプントランド国軍が駐留していたことなどが挙げられている.
2003年頃からソマリランドが優勢となり 2007年にはラス・アノドを占領するに至った. 2018年ソマリランドがプントランドの支配下にあったトゥカラクを占領し、双方が非難するなど現在もスール州の争奪戦が続いている.
現地住民のデュルバハンテ氏族はこの紛争に抗議しており 、現状からの解放と自治を求めてノースランド国(2008年)、チャツモ国(2012年)が建国された. しかし、ソマリランドとプントランド両国の攻撃によっていずれも消滅している.
地図 - スール州 (Gobolka Sool)
地図
国 - ソマリア
ソマリアの国旗 |
1991年勃発の内戦により国土は分断され、事実上の無政府状態が続いていた. のちにエチオピアの軍事支援を受けた暫定政権が発足し、現在では正式な政府が成立したが、依然として一部地域を他の国家であると主張する政府が統治している. 現在の国土はソマリア連邦共和国政府が統治する中南部と、91年に独立宣言した旧英領のソマリランド共和国(首都ハルゲイサ、国際的に未承認、東部地域でプントランドと領土紛争)の北部、おもに南部に展開するイスラム急進派アッシャバーブ支配域に大きく3分割されている.
通貨 / 言語
ISO | 通貨 | シンボル | 有効数字 |
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SOS | ソマリア・シリング (Somali shilling) | Sh | 2 |