タイ語

タイ語
中央タイ語は、タイ王国の公用語. 短縮形はタイ語(タイご、 []). タイ・カダイ語族カム・タイ語派に属する.

タイ・カダイ語族はシナ・チベット語族に属するとされてきた が、独立した語族であるとするのが通説である. 欧米の学者を中心に、タイ・カダイ語族をオーストロネシア語族と合わせる説(オーストロ・タイ語族)や、さらにオーストロアジア語族およびミャオ・ヤオ語族とも合わせる説(オーストリック大語族)もある.

狭義では中央方言(中央タイ語)を指す. 中央方言のなかでもアユタヤ県地方の方言をベースにした標準タイ語が文章やメディア、式典などで用いられる. ここではこの標準タイ語を狭義のタイ語として記述する. なお標準タイ語とアユタヤ県の庶民の言語(クルンテープ語)には、日本語で言う標準語と東京方言程度の違いがある.

タイ語とラオス語(ラーオ語)は互いに方言関係にあり、純粋言語学的には同一言語の地域変種と言える. しかし、タイ語とラオス語はそれぞれ別国家の公用語と位置づけられ、またタイ人とラオス人の間には「同系」の意識はあっても「同じ民族」という意識がなく、使用する文字も異なる(起源は同じとされる)ため、タイ語とラオス語は政治的・社会言語学的には別言語とされている. とりわけラオスでは、タイからの政治的・文化的影響力を遮断し、国家の自立を守るため、意図的にラオス語のタイ語からの分離を謳うプロパガンダを作り上げてきた歴史がある.

タイ東北部で使用されているイーサーン語はラオス語との共通点が比較的多く、ラオス語とだいたい意思疎通が可能である. またタイ標準語とイーサーン語の違いも小さく、イーサーン地方以外の地域のタイ人であっても概ねイーサーン語を理解する. それは、東京の人が大阪弁を聞いても概ね理解し、通訳や字幕訳を必要としないのと同じである. イーサーン語は標準タイ語の影響が強まっており、似てはいてもイーサーン語とラオス語は同じではない.

ラオス人の多くはタイ語のテレビ・映画コンテンツを翻訳なしで子供のころから見ており、逆にラオス語のものはほとんど見ることがない. そのため、ラオス人の多くは特にタイ語の教育を受けていなくてもかなり上手にタイ語を話せる. ラオスの首都ヴィエンチャンなどの都市部では、タイ文字を読めるラオス人もいる. イーサーン語が標準タイ語化してきているのと同様に、ラオス語の口語もタイからの文化流入によりタイ語化してきている.

文法上は孤立語に分類される. サンスクリットとパーリ語からの借用語が多く、続いて英語・クメール語・モン語・ミャンマー語・中国語(主に潮州語などの南方方言)・マレー語・日本語からの借用語が多数あり、外来語はタイ語の語彙の総数の3分の2を占めるとも言われる. タイ語は声調言語であり、標準タイ語では5つの声調を持つ.

日本語話者がタイ語を習得する場合、冠詞が無い・動詞が変化しないなど文法は容易であるものの発音が大きく異なるため、タイ語を少し習得した日本人が「どうして通じないのか」といった体験をすることが多い. これは日本語で区別のない のうち、2つ以上が正しくない場合が大半である. また、日本で使われるタイ語もほとんど無く、スープの「トムヤムクン」も正しく発音しないと現地では(日本人相手の職業の人以外には)通じない.

* 1) 子音が異なっている([l]と[r], 有気音と無気音)

* 声調
  • タイ王国
    タイ王国(タイおうこく、ราชอาณาจักรไทย )、通称タイ(ประเทศไทย )は、東南アジアに位置する立憲君主制国家. 首都はバンコク都.

    東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国、通貨はバーツ、人口6,891万人(2017年、タイ国勢調査による)である.
  • マレーシア
    マレーシア(Malaysia、)は、東南アジアに位置し、マレー半島南部およびボルネオ島北部からなる連邦立憲君主制国家. 首都はクアラルンプール.

    イギリス連邦加盟国のひとつ. タイ、インドネシア、ブルネイと陸上の国境線で接しており、シンガポール、フィリピンと海を隔てて近接する. ASEANの一員.