パシュトー語

パシュトー語
パシュトー語(パシュトーご)は、アフガニスタン、またパキスタンの西部に住むアフガン人(パシュトゥーン人)の話す言語である. インドヨーロッパ語族のイラン語派の東語群に属す.

話者はアフガニスタンの主に東部、南部1200万人、パキスタンの西部に2800万人.

方言差が激しく、有力な標準語がない. そのため異なる地域から来たパシュトゥーン人どうしで意思疎通が容易でないこともしばしばである. なお、パシュトー語分布域であるパキスタンおよびアフガニスタンの国民は生活上の必要性から多言語話者であることが多く、パシュトゥーン人がペルシア語(およびダリー語)を話すこともしばしばある.

アフガニスタンでは、憲法によりパシュトー語が公用語と定められている. 一方、パキスタンでは、国語および公用語として定められていない.

  • アフガニスタン
    アフガニスタン・イスラム首長国(アフガニスタン・イスラムしゅちょうこく、、Islamic Emirate of Afghanistan)、通称アフガニスタン(、、Afghanistan)は、中央アジアと南アジアの交差点に位置する山岳地帯の内陸国である. 現在はターリバーンによる暫定政権が築かれている. 東と南にパキスタン、西にイラン、北にトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、北東ではワハン回廊で中国と国境を接している. 多民族国家で、周辺国と民族やイスラム教宗派でつながりが深いパシュトゥン人、ウズベク人、タジク人、ハザラ人などが暮らす. 中東の東端と位置付けられることもある. 首都は人口最大の都市のカブール. 面積は65万2000平方キロメートルで、北部と南西部に平野部がある山岳国となっている.

    アフガニスタンは多様かつ波乱な歴史を紡いで来た地域に建つ国家である. 少なくとも5万年前には現在のアフガニスタンには人間が住んでいた. 9000年前に定住生活が始まり、紀元前3千年紀のインダス文明(ショルトゥガイ遺跡)、オクサス文明(ダシュリジ遺跡)、ヘルマンド文明(ムンディガク遺跡)へと徐々に進化していった. インド・アーリア人がバクトリア・マルギアナ地方を経てガンダーラに移住し、ゾロアスター教の古代宗教書『アヴェスター』に描かれている文化と密接な関係がある 鉄器時代のヤズ1世文化(紀元前1500 - 1100年頃)が興った. 「アリアナ」と呼ばれていたこの地域は、紀元前6世紀にアケメネス朝ペルシャ人の手に落ち、その東側のインダス川までの地域を征服した. アレキサンダー大王は前4世紀にこの地域に侵入し、カブール渓谷での戦いの前にバクトリアでロクサネと結婚したが、アスパシオイ族やアサカン族の抵抗に遭ったという. グレコ・バクトリア王国はヘレニズム世界の東端となった. マウリヤ朝インド人による征服の後、この地域では何世紀にもわたって仏教とヒンドゥー教が栄えた. カピシとプルシャプラの双子の都を支配したクシャーナ朝のカニシカ1世は、大乗仏教が中国や中央アジアに広まる上で重要な役割を果たした. また、この地域からは、キダール、エフタル、アルコン、ネザーク、ズンビール、トルキ・シャヒスなど、様々な仏教王朝が生まれた.
  • パキスタン
    パキスタン・イスラム共和国(パキスタン・イスラムきょうわこく、)、通称パキスタンは、南アジアに位置する連邦共和制国家である. 東にインド、西にアフガニスタン、南西にイラン、北東に中華人民共和国と国境を接している. 北はアフガニスタンのワハーン回廊でタジキスタンと狭く隔てられており、オマーンとも海上で国境を接している. 首都はイスラマバード.

    パキスタンの2022年の人口は2億2,200万人であり、中国、インド、アメリカ、インドネシアに次いで世界第5位となっている. また、世界で2番目にイスラム教徒の多い国でもある. 面積は881,913平方キロメートルで、世界で33番目に大きな国である.