特別引出権

特別引出権
特別引出権(とくべつひきだしけん、)とは、国際通貨基金 (IMF) が加盟国の準備資産を補完する手段として、1969年に創設した国際準備資産、及びその単位である. ISO 4217における通貨コードはXDR.

SDRは、1969年に発効した国際通貨基金第一次協定改正によって創設された. 創設の背景としては、1960年代にアメリカ合衆国の経常収支が赤字化する中で、当時の二大公的準備資産であった金と米ドルの国際的供給は、世界貿易の拡大及び当時発生しつつあった金融フローを支えるには、不十分であるとの問題意識から、特定の一国の通貨価値に依存しない新たな準備資産としての役割が期待されていた. SDRはIMFによって創出され、出資割合に比例して加盟国に配分される.

SDR配分を受けた国は、いつでもIMFの仲介を受けて、自身の保有SDRと引き換えに他の加盟国の保有する自由利用可能通貨(IMFが定める. 現在はドル・ユーロ・人民元・円・ポンド)を引き出すことができる.

また、IMFへの出資やIMFによる貸し出しは、基本的にSDR建てで行われるほか、世界銀行がSDR建での債券発行を行っている. ただし、SDRの保有はIMF加盟国等の公的主体に限定され、民間取引においては使用されない.

SDRの価値は、自由利用可能通貨の加重平均によって計算され、日々更新される (加重平均の比重・自由利用可能通貨の選定は、5年に一度見直しされる).