バルフ州 (Balkh)
日本の岩手県より少し広い州である. 州の北側は平地で、南側は高地になっている. 殆どが荒地だが、バンディ・アミール湖を水源とするバルフ川が州の南北を流れており、その周辺のオアシスにだけ緑が広がっている. 州都マザーリシャリーフはアフガニスタン屈指の大都市で、中央にはアリー・イブン・アビー・ターリブを祭ったブルーモスクがあり、参拝客を集めている.
バルフ州の北は国境であり、トルクメニスタンやウズベキスタン、タジキスタンに接している. 西はジョウズジャーン州で、南の台地にサーレポル州とサマンガーン州があり、東はクンドゥーズ州に隣接している.
バルフ州の北部は標高が高いアフガニスタンでは珍しく、標高500メートル以下 の平野になっている. 州の北端には中央アジアの大河「アムダリヤ川」が流れており、川岸には緑が広がっている. その南はトルクメニスタンのカラクム砂漠から続く広大な砂漠があり、乾燥した荒野が続いている. しかし州の中央部を南北にバルフ川が流れており、東南からはホルム川が流れて来る. そのため流域にはオアシスがあり、マザーリシャリーフやバルフ、ホルムのような都市がある. その南は切立った屏風のような山脈になっていて、ヒンドゥークシュ山脈が始まる. 特にバルフ川の東側には標高1000メートルから2000メートル の険しい山脈があり、その中にはクマガー と呼ばれる山があると言う. 一方、西側の山脈は標高1000メートル以下 で、丘が折り重なるように続く盆地になっている. またバルフ川沿いの渓谷は標高500メートル で、ショールガラの街がある. その南はまた標高1000メートルから2000メートル の険しい山脈になっている.
地図 - バルフ州 (Balkh)
地図
国 - アフガニスタン
アフガニスタンの国旗 |
アフガニスタンは多様かつ波乱な歴史を紡いで来た地域に建つ国家である. 少なくとも5万年前には現在のアフガニスタンには人間が住んでいた. 9000年前に定住生活が始まり、紀元前3千年紀のインダス文明(ショルトゥガイ遺跡)、オクサス文明(ダシュリジ遺跡)、ヘルマンド文明(ムンディガク遺跡)へと徐々に進化していった. インド・アーリア人がバクトリア・マルギアナ地方を経てガンダーラに移住し、ゾロアスター教の古代宗教書『アヴェスター』に描かれている文化と密接な関係がある 鉄器時代のヤズ1世文化(紀元前1500 - 1100年頃)が興った. 「アリアナ」と呼ばれていたこの地域は、紀元前6世紀にアケメネス朝ペルシャ人の手に落ち、その東側のインダス川までの地域を征服した. アレキサンダー大王は前4世紀にこの地域に侵入し、カブール渓谷での戦いの前にバクトリアでロクサネと結婚したが、アスパシオイ族やアサカン族の抵抗に遭ったという. グレコ・バクトリア王国はヘレニズム世界の東端となった. マウリヤ朝インド人による征服の後、この地域では何世紀にもわたって仏教とヒンドゥー教が栄えた. カピシとプルシャプラの双子の都を支配したクシャーナ朝のカニシカ1世は、大乗仏教が中国や中央アジアに広まる上で重要な役割を果たした. また、この地域からは、キダール、エフタル、アルコン、ネザーク、ズンビール、トルキ・シャヒスなど、様々な仏教王朝が生まれた.
通貨 / 言語
ISO | 通貨 | シンボル | 有効数字 |
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AFN | アフガニ (Afghan afghani) | Ø‹ | 2 |